【米国株】プラネットラボ(PL)の決算まとめ

地球の周りを人工衛星が旋回している様子
目次

はじめに

今回は、アメリカ株で宇宙関連銘柄として有名なプラネットラボ(Planet Labs PBC)の決算をまとめます。

会社の概略

プラネットラボは、衛星画像とデータ分析を専門とする会社です。 プラネットラボは、農業、林業、災害対応、都市計画、環境モニタリングなど、さまざまな用途で衛星画像をよりアクセスしやすくすることを目的として、元 NASA の科学者グループによって 2010 年に設立されました。

プラネットラボは、地球全体をカバーする地球表面の高解像度画像を毎日キャプチャする地球観測衛星の大規模な艦隊を運用しています。 同社の衛星は Doves と言う名で知られており、地球表面の詳細な画像をキャプチャできる高解像度カメラを搭載した小さな立方体型の衛星です。

プラネットラボの衛星画像とデータは、政府、非営利組織、営利企業、研究者など、幅広い顧客によって使用されています。 同社のデータと分析は、土地利用の変化の監視、森林破壊の追跡、作物の健康状態の評価、インフラストラクチャの監視、都市の成長のマッピング、災害対応の取り組みの支援など、さまざまな目的で使用されています。

衛星画像とデータ サービスに加えて、プラネットラボは一連のデータ分析ツールとアプリケーションも提供しています。これにより、ユーザーは時間の経過に伴う変化の検出、オブジェクトや特徴の特定、高度な地理空間分析の実行など、画像から貴重な洞察を引き出すことができます。

全体として、Planet Labs は衛星画像とデータ分析の大手プロバイダーであり、ユーザーは地球表面の変化を高い精度と頻度で監視および理解することができます。

2025年度第3四半期(2024年10月31日締め)決算分析

売上高は成長を維持

Planet Labsの第3四半期の売上高は6,126万ドルとなり、前年同期比11%増を記録しました。これは、政府機関や民間企業からの需要の増加が影響しており、特に国防・インテリジェンス分野と民間政府(Civil Government)部門の成長が貢献しました。

売上の地域別内訳

  • 北米:33%
  • ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA):44%
  • アジア太平洋(APJ):17%
  • ラテンアメリカ(LATAM):6%

Planet Labsはグローバル市場への展開を強化しており、EMEA地域が引き続き売上の大部分を占めています。

収益性の改善とEBITDAの黒字化に近づく

Planet Labsは6四半期連続で調整後EBITDAの改善を報告しており、今回の四半期ではマイナス24.2万ドルと大幅に損失を縮小しました。これは、データサブスクリプション収益の増加とクラウドインフラの効率化によるコスト削減の成果と見られます。

さらに、第4四半期には調整後EBITDAの黒字化(0万ドル〜200万ドル)を達成する見込みです。これが実現すれば、長らく赤字経営が続いていた同社にとって大きな転換点となります。

安定した収益基盤の拡大

Planet Labsの契約の約97%が年間または複数年契約で構成されており、安定した収益基盤を持っています。これは、同社のビジネスモデルの強みであり、長期的な成長のカギとなる要素です。

また、契約の更新率(Net Dollar Retention Rate)も104%と、既存顧客との取引が継続的に拡大していることを示しています。これにより、毎年新規契約を獲得するだけでなく、既存顧客からの売上も増えていることがわかります。

顧客基盤の拡大

第3四半期末時点の顧客数は1,015社で、前年同期比で4%増加しました。特に、政府機関や防衛分野の新規契約が増加しており、以下のような大型契約が締結されました。

  • 国際防衛機関との8桁(1000万ドル以上)の契約拡大
  • 米国国防総省(DoD)との7桁の試験契約
  • NASAとの8桁の契約締結
  • ドイツ宇宙航空センター(DLR)との複数年契約
  • ブラジル連邦警察との7桁契約更新(アマゾン森林監視)

これらの契約は、同社のデータが国際的に重要な情報資源として認識されていることを示しています。

最新技術の導入と成長戦略

Planet Labsは、次世代技術の開発にも積極的に取り組んでいます。

最近の技術アップデート

  • 「Tanager-1」ハイパースペクトル衛星の「First Light(初観測)」成功
  • 「Pelican-2」衛星の打ち上げ準備完了(2025年1月打ち上げ予定)
  • AI駆動の森林炭素監視製品のリリース
  • 時系列解析向けの「PlanetScope」データ強化

これらの技術革新は、同社の観測データの精度を向上させるだけでなく、環境監視・気候変動対策・農業・国防分野への応用範囲を広げることが期待されています。

財務の健全性

同社の財務状況は依然として安定しています。

  • 現金及び短期投資総額:2億4,200万ドル
  • 負債:1億6,600万ドル

また、クラウドインフラの効率化やリストラクチャリングを通じて、コスト削減も進められています。

2025年度第4四半期の見通し

Planet Labsは、次のようなガイダンスを発表しました。

  • 売上高:6,100万〜6,300万ドル
  • 売上成長率:4%〜7%
  • 調整後EBITDA:0万〜200万ドル(黒字転換見込み)
  • 資本支出:800万〜1,100万ドル

特に、EBITDAの黒字化は今後の成長戦略を左右する重要なポイントです。

まとめ

Planet Labsの2025年度第3四半期決算は、着実な成長と収益性の改善が進んでいることを示す内容でした。同社は引き続き、データサブスクリプションモデルの拡大とコスト削減に取り組みながら、成長市場への進出を進めています。

特に、政府機関や防衛分野との契約拡大、AI技術の活用、新しい衛星打ち上げによるデータ精度の向上は、今後の業績にポジティブな影響を与えるでしょう。

今後の焦点は、第4四半期でのEBITDA黒字化達成と、さらなる契約拡大が可能かどうかです。引き続き、Planet Labsの動向を注視していきましょう。

純利益、営業キャッシュフロー、売上高のまとめ(グラフ)

四半期ごとのグラフ

年ごとのグラフ

純利益

純利益(Net Income)は以下です。

四半期ごとのデータ

四半期純利益 (Net Income) [1,000ドル]
4/30/2022-44,360
7/31/2022-39,529
10/31/2022-40,236
1/31/2023-37,841
4/30/2023-34,444
7/31/2023-37,975
10/31/2023-38,004
1/31/2024-30,086
4/30/2024-29,293
7/31/2024-38,668
10/31/2024-20,081

年ごとのデータ

純利益 (Net Income) [1,000ドル]
1/31/2020-123,714
1/31/2021-127,103
1/31/2022-137,124
1/31/2023-161,966
1/31/2024-140,509

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフロー(Total Cash Flow from Operating Activities)は以下です。

四半期ごとのデータ

四半期営業キャッシュフロー [1,000ドル]
(Total Cash Flow from Operating Activities)
4/30/2022-6,534
7/31/2022-22,270
10/31/2022-30,310
1/31/2023-14,815
4/30/2023-30,601
7/31/20239,597
10/31/2023-22,870
1/31/2024-6,837
4/30/2024-42,97
7/31/2024-7,858
10/31/20244,076

年ごとのデータ

営業キャッシュフロー [1,000ドル]
(Total Cash Flow from Operating Activities)
1/31/2020-33,687
1/31/2021-4,027
1/31/2022-42,211
1/31/2023-73,933
1/31/2024-50,711

売上高

売上高(Total Revenue)は以下です。

四半期ごとのデータ

四半期売上高 (Total Revenue) [1,000ドル]
4/30/202240,127
7/31/202248,450
10/31/202249,704
1/31/202352,975
4/30/202352,703
7/31/202353,761
10/31/202355,380
1/31/202458,852
4/30/202460,440
7/31/202461,092
10/31/202461,266

年ごとのデータ

売上高 (Total Revenue) [1,000ドル]
1/31/202095,736
1/31/2021113,168
1/31/2022131,209
1/31/2023191,256
1/31/2024220,696

EPS(一株あたりの純利益)

四半期EPS [$]
1/31/2022-0.26
4/30/2022-0.17
7/31/2022-0.15
10/31/2022-0.15
1/31/2023-0.14
4/30/2023-0.07
7/31/2023-007
10/31/2023-0.05
1/31/2024-0.06
4/30/2024-0.05
7/31/2024-0.06
10/31/2024-0.02

DSO(売掛金回収に要する日数)

これは、以前に以下のページでも投稿したのですが、改めて記載します。

四半期DSO [日]
4/30/202278.4
7/31/202247.7
10/31/202250.6
1/31/202358.5
4/30/202367.5
7/31/202367.4
10/31/202370.4
1/31/202468.6
4/30/202461.8
7/31/202461.6
10/31/202461.6

地域ごとの売上

地域ごとの売上は以下です。単位は1,000ドルです。

四半期アメリカ合衆国
(United States)
ノルウェー
(Norway)
カナダ
(Canada)
その他
(Rest of World)
4/30/202218,75217853,97615,614
四半期アメリカ合衆国
(United States)
ノルウェー
(Norway)
その他
(Rest of World)
7/31/202225,7291,76920,952
10/31/202227,1913,22619,287
四半期アメリカ合衆国
(United States)
その他
(Rest of World)
1/31/202326,10126,874
4/30/202323,12729,576
7/31/202327,03826,723
10/31/202323,34832,032
1/31/202425,20733,645
4/30/202429,06031,380
7/31/202428,75532,337
10/31/202425,29435,972
Ottaka

2022年Q1から2022年Q2にかけて、アメリカ合衆国での売上の伸びが顕著ですね。

アメリカ合衆国
(United States)
カナダ
(Canada)
その他
(Rest of World)
1/31/202161,47115,91035,787
1/31/202255,9939,37065,846
1/31/202397,77312,95280,531

プラネットラボ(PL)の取り扱いのある証券会社

松井証券

参考.投資関係の本の紹介

Ottaka

以下に投資関係の本を上げておきますので、面白そうなのがあったら、確認してみてください。

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